ヨシミツ ヒトシ   Yoshimitsu Hitoshi
  吉満 斉
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   崇城大学大学院  薬学研究科 薬学専攻
   職種   教授
分野ライフサイエンス
タイトル生薬「升麻」が属するキンポウゲ科植物の研究
シーズ名〜Tリンパ球分化・増殖に影響を及ぼすキンポウゲ科植物を素材とするトリテルペンの探索〜
キーワードキンポウゲ科、サイクロアルタン、トリテルペン、免疫抑制
研究シーズ概要トリテルペン類は、広汎に分布する植物成分の一つとして研究されています。これらの中で、オレアナンは生薬「甘草」のグリチルリチン類で抗炎症性の肝保護など、ダンマランは生薬「人参」のジンセノサイド類で中枢興奮及び抗疲労など、サイクロアルタンは生薬「黄耆」のアストラガロサイド類で抗炎症及びサイクリックAMP上昇などの作用が示され、各トリテルペン類が和漢薬の薬効における重要な役割を担っていることを示唆しています。
 オレアナン及びダンマランに比べサイクロアルタンの分離例は、キンポウゲ、マメ、バンレイシ及びトウダイグサなどの各科に分布するにもかかわらず少ない状況です。ただし、このような中にあって、キンポウゲ科のCimicifugae属(生薬「升麻」)及びマメ科のAstragalus属(生薬「黄耆」)は、比較的多く成分検索がなされています。そこで、本研究室ではサイクロアルタンに的を絞り、生薬「升麻」が属するキンポウゲ科植物(北半球の温帯から亜寒帯に約47属2000種)に着目して、その成分研究に取り組んでいます。
利点・特長・成果本研究室は、キンポウゲ科に属するThalictrum 属植物より17種、Aquilegia 属植物より14種、そしてCimicifuga属植物より20種という、数多くの新規サイクロアルタン配糖体の化学構造を解明してきました。その際、サイクロアルタン配糖体の数種にTリンパ球分化・増殖阻害活性を見いだし、同活性の発現にはアグリコン部の五員環アセタールまたは六員環ヘミアセタール部分構造(図に示す3 種類の構造)の存在が必須との見解を提示しています。さらに、五員環アセタール周辺部の構造の変化(嵩高さの増加→活性の低下)と糖部の変化(親水性の低下→活性の上昇)が、同活性に大きく関与することも示しています。これらの研究成果は、既存の免疫抑制剤とは異なった新たな作用機序を有するTリンパ球分化・増殖阻害剤の開発の可能性を示すとともに、和漢薬の薬効の重要な役割を担うトリテルペン類の新しい機能解明に寄与するものと考えています。
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