ウチダ ユウジ   Uchida Yuji
  内田 友二
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   崇城大学大学院  薬学研究科 薬学専攻
   職種   教授
分野ライフサイエンス
タイトルSLRPファミリータンパク質による自然免疫調節機構の解明
シーズ名〜TNF-α分泌抑制による慢性炎症性疾患の新規治療薬開発を目指して~
キーワードSLRPファミリー、自然免疫、Toll様受容体(TLR)、リポ多糖(LPS)、慢性炎症
研究シーズ概要Small Leucine-rich Repeat Proteoglycan(SLRP)ファミリーは細胞外に分泌されるタンパク質群であり、細胞外マトリックスの構成成分として各種Growth factorや細胞膜受容体と相互作用することで細胞の分化や増殖に関与することが知られています。SLRPファミリータンパク質の1つであるTsukushi(TSK)は、胚の初期発生において重要な役割を果たすものの、成体期における詳しい働きは分かっていません。近年、TSKとは異なるSLRP ファミリー分子が自然免疫受容体であるToll様受容体(TLR)2, 4シグナルを活性化することが報告されていますが、これまでの我々の研究で、TSKはリポ多糖(LPS)-TLR4シグナルを抑制することを明らかにしました。しかし、LPS以外の炎症性リガンド誘導性TNF-α分泌に対して、TSKが抑制作用を示すか否かは明らかではありません。
 現在、我々は炎症性リガンド(TLR2:ペプチドグリカン(PGN)、TLR3:Poly(I:C))誘導性TNF-α分泌に対するTSK過剰発現の影響とTSKによるTNF-α分泌制御機構を明らかにするために研究を進めています。
利点・特長・成果マクロファージ細胞株(RAW264)ではLPS刺激によりTNF-α分泌が亢進しますが、この分泌増加はTSKの過剰発現により著しく減少します。これと同様にPGNやPoly(I:C)で刺激した細胞でもTSKの過剰発現によりTNF-αの分泌量は減少しました。このことからTSKの過剰発現によるTNF-α分泌の抑制作用は、刺激となるTLRリガンドの特異性が低いことが分かりました。次に、LPS刺激によるTNF-αの分泌量は、p38阻害剤もしくはNF-κB阻害剤を前処理しておくと減少することを見出しました。また、併用することにより単剤時よりもさらに分泌量は減少しました。以上のことから、LPS誘導性TNF-α分泌にはp38とNF-κBが関与していることが明らかとなりました。今後は、p38とNF-κB以外の細胞内シグナル分子のTNF-α分泌に対する影響について検討していく予定です。
 TNF-αは、糖尿病やリウマチなど慢性炎症が病態に関与している疾患に深く関わっており、既存薬の標的分子にもなっています。TSKによるTNF-α分泌の抑制機構を解明することは、慢性炎症性疾患の新規治療薬開発の一助になると考えます。
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