ヤマモト シンジロウ   Yamamoto Shinjirou
  山本 進二郎
   所属   崇城大学  生物生命学部 応用生命科学科
   崇城大学大学院  工学研究科 応用生命科学専攻(博士前期課程)
   崇城大学大学院  工学研究科 応用生命科学専攻(博士後期課程)
   職種   教授
分野ライフサイエンス
タイトル抗がん剤タキサン類の培養生産効率化
シーズ名~抗がん剤を安価に生産しませんか~
キーワードパクリタキセル、タキサン類、植物細胞、懸濁培養、油、イオン液体、起泡、植物培養細胞、イチイ
研究シーズ概要タキサン類の一つであるパクリタキセルは、多量の植物資源(葉)から抽出した前駆体を化学修飾して製造されるため、極めて高価な抗がん剤です。また、環境に排出すべきでない有機溶媒も使われているため、これを使わない合成法の開発が期待されております。私は、タキサン類を生合成する植物細胞に着目して、安全安価で効率的にタキサン類生産が可能な培養法の開発に取り組んでおります。
 通常の細胞培養では、生産されたタキサン類が細胞増殖を阻害します。これを回避するために、水に不溶で安全な疎水性媒体(油や泡)にタキサン類を移動させてタキサン類生産量を増加させる研究を行い、疎水性の強い油が効果的であることを見出しております。現在、安全性の高い溶媒として注目される疎水性イオン液体を細胞培養に利用しております。細胞活性を高める物質の添加培養も試み、高効率にタキサン類を生産する条件や培養生産法を検討しております。

【特許】
■パクリタキセルの製造方法、特開2006-109784
■疎水性化合物の起泡による分離法、特開2008-49243
利点・特長・成果通常の細胞培養でタキサン類は増殖阻害を引き起こすため、タキサン類を逐一培養から分離回収する培養法を検討しております。タキサン類が疎水性であることに着目して、水に不溶な媒体(油や泡)を細胞培養液に添加する二相系培養を行っております。生産されたタキサン類が疎水性相互作用によって疎水性媒体に移動して、細胞増殖が改善し、タキサン類の生産が増加することを見出しております。泡を使う培養では、独自に開発したバイオリアクターを使って細胞増殖とパクリタキセル生産を顕著に向上できることに成功しております。現在は、安全性の高い溶媒として注目される疎水性イオン液体を細胞培養で初めて利用し、その結果、増殖阻害が軽減され、タキサン類生産量が向上する知見を得ております。タキサン類生産活性を高めるエリシターなどを添加する培養も試み、今以上のタキサン類生産量が可能な効率的培養法の開発を目指しております。
その他の研究●スイゼンジノリの効率的培養法の開発
●膝軟骨組織の効率的培養再生法の開発
メッセージ(企業へ)植物培養細胞によって抗がん剤タキサンを生産しておりますので、植物細胞に関しては技術的な相談に対応可能です。プロセス的な点に関しても対応可能です。