マキセ マサキ   Makise Masaki
  牧瀬 正樹
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   崇城大学大学院  薬学研究科 薬学専攻
   職種   准教授
分野ライフサイエンス
タイトル核膜孔構成因子によるがん発生と増悪化機構の解明
シーズ名〜Nup88の持つ性質とがんとの関係性を理解する研究と創薬への応用〜
キーワード核膜孔、ヌクレオポリン、Nup88、がん、腫瘍マーカー、細胞生物学、分子生物学、生化学
研究シーズ概要核膜孔は、ヌクレオポリンという一群のタンパク質が集まった大きな孔として核膜に存在する、核と細胞質間の分子の往来を担う重要な構造体です(図①)。近年、ヌクレオポリンの一つであるNup88の発現が、種々のがん腫瘍組織において増えていることが分かり、腫瘍マーカーとしての臨床利用が考えられています。このようなNup88の発現量の増加は、転移性や浸潤性が高い、いわゆる悪性度の高いがんで頻繁に見られることが示されています。しかしながら、Nup88ががん細胞に多く発現している理由や、がんの悪性化を導く過程はほとんど解明されていません。
 そこで、私たちの研究グループはこれらの基本的な疑問を、Nup88を多く発現するように操作したヒト由来の培養細胞株を用いて(図②)、細胞生物学的、分子生物学的及び生化学的アプローチによって解明し、創薬へとつなげる研究に取り組んでいます。
利点・特長・成果これまでに、Nup88の持つ性質とがんとの関係性を理解する基礎研究(下記1.〜3.)と創薬を志向した応用研究(下記4.)を進めており、次のような成果を得ています。
1.Nup88を多く発現した細胞では、悪性度の高いがんの特徴である運動性が促進していることを見出しました(図③)。
2.Nup88ががんを悪性化する仕組みとして、がん細胞の悪性転換に関わる細胞骨格因子のビメンチンを同定しました。
3.Nup88が促進する細胞のがん化の初期過程に、ビメンチンが関与することを示しました。
4.Nup88が、がん細胞の成長やがん幹細胞の生存維持に重要な役割を果たす、一部の細胞内情報伝達経路の異常な活性化を導く現象を見出しました。
 本研究では、このようなNup88の性質を抑える有機化合物やペプチド性化合物の生化学的なスクリーニングを試みています。
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