ニシヤマ タカシ
Nishiyama Takashi
西山 孝 所属 崇城大学 生物生命学部 生物生命学科 崇城大学大学院 工学研究科 応用生命科学専攻(博士前期課程) 崇城大学 生物生命学部 応用生命科学科 崇城大学大学院 工学研究科 応用生命科学専攻(博士後期課程) 職種 准教授 |
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分野 | ライフサイエンス |
タイトル | 生物機能を利用した環境汚染物質除去 |
シーズ名 | ~フタル酸ジエステル類資化細菌の生分解機構の解明~ |
キーワード | anammox、ヒドラジン、フタル酸エステル類、汚染物質除去、菌叢(菌相)解析 |
研究シーズ概要 | フタル酸ジエステル類は1990年代に、生物の正常な内分泌系をかく乱する「環境ホルモン様作用」が疑われた化合物です。ヒトに対する環境ホルモン様作用は2000年代に否定されたものの、2010年以降再びその疑いが再燃しつつあります。
私たちは、このフタル酸ジエステル類を分解・資化できる細菌2株を、崇城大学内の土壌から発見し分離しています。研究の結果、この2株の細菌はフタル酸ジエステル類に特異的に吸着し、他の分解菌に比べ高い生分解能を示しました。現在までに、生分解の過程で機能するフタル酸モノエステル類加水分解酵素の精製と遺伝子の決定、その活性に大きく寄与するアミノ酸残基の同定に成功しています。 |
利点・特長・成果 | フタル酸ジエステル類の分解菌は、現在までに世界中から数十株以上の報告がありますが、私たちが分離した2株の細菌の生分解能はその中でもトップクラスに位置づけられます。その理由として、生分解の中間体のフタル酸モノエステル類をフタル酸へと分解する酵素の活性が、報告のある酵素の中で最も高かったことが挙げられます。現在、この酵素の上流で機能するフタル酸ジエステル類の菌体内への取込機構およびフタル酸ジエステル類をモノエステルに変換する酵素が生分解活性を律速していると推測しており、これらの解明を進めるとともに、将来的にはさらに活性が向上した株の作出を目指しています。これらの菌株及びその酵素系を用いて、フタル酸ジエステル類で汚染された環境の汚染除去につなげたいと考えています。 |
その他の研究 | ●anammox細菌によるヒドラジン排水処理。
●混合微生物系の菌叢解析。 |
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