オカザキ ショウコ   Okazaki Shoko
  岡﨑 祥子
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   職種   講師
分野ライフサイエンス
タイトル様々な疾患に関与するレドックスの評価
シーズ名〜アシル保護ヒドロキシルアミンの電子スピン共鳴法によるマウス生体内レドックスの非侵襲的評価
キーワード電子スピン共鳴、レドックス、酸化ストレス、ニトロキシルラジカル、敗血症
研究シーズ概要生体内の酸化還元(レドックス)バランスの崩壊は、様々な疾患の関与が指摘されています。生体計測用電子スピン共鳴法(in vivo ESR法)では、プローブのESRシグナルの消長を指標に生体内のレドックスを非侵襲的に測定することが可能です。
 本研究でプローブとして用いているアシル保護ヒドロキシルアミン(ACP)は、生体内で速やかに加水分解を受けてESRで測定できない還元型のプローブとなります。また還元型プローブは、活性酸素との反応で酸化型のプローブとなりESRシグナルを与えます。一方で、酸化型プローブは生体内の還元酵素との反応で還元型プローブに戻ります。このようにプローブの酸化還元反応が生体内のレドックスバランスにより制御されているため、そのバランスをESRシグナルの消長から評価することが可能です。私たちはこの方法を用いて、敗血症モデルマウスの体内(主に肺から肝臓にかけて)が酸化に傾いていることを、マウスが生きている状態で示すことに成功しました。
利点・特長・成果従来のin vivo ESR法のプローブは酸化と還元のどちらが亢進してもシグナルが減弱するため、その評価には注意が必要でした。しかし、ACPを用いることで「酸化はシグナルの増加」「還元はシグナルの減弱」というようにESRシグナルの消長から直接レドックスを評価することが可能になりました。
 生体内レドックスは様々な疾患に関与していることから、疾患の治療や健康維持のための抗酸化機能を持つ薬剤や健康食品などへの活用が注目されています。しかし、これらを効果的に利用するためにはレドックスの崩壊が、いつ、どこで、どの程度生じているのかを解明することが必要です。in vivo ESR法は、生きている動物で測定できることやESRイメージング技術による画像化が可能といった特徴があるため、非常に有用なレドックス測定法と言えます。ACPを用いたin vivo ESR法は今後、疾患のメカニズム解明や抗酸化剤による治療法の確立などにつながるものと期待しています。

■参考文献 S. Okazaki et al., Free Radic. Biol. Med., 68, 72-79 (2014)
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