イオハラ ダイスケ   Iohara Daisuke
  庵原 大輔
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   崇城大学大学院  薬学研究科 薬学専攻
   崇城大学大学院  工学研究科 応用化学専攻(修士課程)
   職種   准教授
分野ライフサイエンス
タイトル汎用性・有効性の高い炭素素材の開発
シーズ名〜シクロデキストリンを用いた炭素材料の水溶性ナノ粒子化〜
キーワードシクロデキストリン、フラーレン、ナノ粒子、光増感剤、抗酸化剤、吸着剤
研究シーズ概要フラーレンC60は炭素原子60個がサーカーボールのような球状の構造をしている化合物の総称で、可視光照射下において活性酸素種を効率よく生成する光増感物質として注目を集めています。しかし、C60 の水への著しく低い溶解性(1.3x10-11 ng/mL)は医薬分野への応用を困難なものにしています。
 私たちはこれまでに、経口・注射剤の添加剤として国内外で使用されている2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)を用いて、C60を約50 nmの親水性ナノ粒子として高濃度に可溶化することに成功しました。さらに、この C60/HP-β-CD ナノ粒子は水中において1ヶ月以上凝集・沈殿することなく安定に存在すること、そして可視光を照射すると効率的に活性酸素種を生成し、腫瘍組織に障害を与えることが明らかとなりました。この結果、HP-β-CD を用いると、フラーレンなどの炭素材料をその生物活性を損なうことなく水溶性ナノ粒子とすることができるため、C60ナノ粒子をベースとした新規ナノカーボン医薬の開発が期待されます。

【特許】
C60含有ナノ粒子の分散液とその製造方法、特開2010-116358
利点・特長・成果本研究で用いるHP-β-CDは、イトラコナゾールなどの難溶性薬物の可溶化剤として実際製剤に使用されており、安全性も保証されています。また、HP-β-CDの濃度を調節することで、粒子サイズの調整が可能になるという特徴も有しています。私たちはC60だけでなくC70や水酸化C60などの誘導体でも水溶性ナノ粒子化にも成功しており、特に水酸化C60ナノ粒子は抗酸化剤として優れた効果を発揮するため、酸化ストレス性の肝障害に対して顕著な抑制効果を示すことを明らかにしています。
 本研究は極めて難水溶性が高い炭素材料を、シクロデキストリンを用いて水溶性ナノ粒子化し、その汎用性・有効性を高めるものです。この研究が進展すれば、医薬分野のみならず工学、エネルギー、環境など多分野への波及効果が期待されます。
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