オノ ナガト   Ono Nagato
  小野 長門
   所属   崇城大学  工学部 機械工学科
   崇城大学大学院  工学研究科 機械工学専攻
   崇城大学大学院  工学研究科 機械システム工学専攻
   職種   教授
分野ナノテク・材料
タイトル軽金属の変形と強さに関する結晶塑性学的研究
シーズ名〜「すべり」のメカニズムを実験的に考察し法則性を追究する〜
キーワード結晶塑性、転位論、降伏強度、疲労強度、ホール・ペッチ関係、析出硬化メカニズム
研究シーズ概要将来にわたって、人間社会の豊かさをサステナブルに支える工学分野の主な3本柱として、エネルギー、情報(エレクトロニクス)、材料が挙げられます。これらの中で機械工学が主導する優れたモノづくりには、構成材料の物性や強度に関する基礎知識が必要不可欠です。
 私の研究室では、金属材料における「すべり」のメカニズム(結晶性材料での変形の仕組み)をマクロとミクロ・ナノ階層の結びつきを念頭において実験的に考察し、その法則性を追究しています。また、基盤金属とその合金における強化機構、ならびに降伏強度に寄与する微視的な強化因子を結晶塑性学の立場から定量評価しています。さらに、変形の素過程に基づく多結晶金属での疲労や破壊のメカニズムをメゾスケールで解明するための基礎研究、形状記憶合金を用いたアクチュエータ設計に関する応用研究にも精力的に取り組んでいます。

キーワード:エッチピット観察、双晶境界、疲労き裂
利点・特長・成果長年にわたり、展伸基盤金属の塑性変形と強化機構をメゾ解析するための基礎研究を中心に活動しています。この中で、たとえば金属表面の微視的な転位挙動を広範囲に直接確認できるユニークなその場観察システム装置の構築にも挑んでいます。図1は圧縮変形したマグネシウムとその合金で認められる双晶の出現割合、図2はT6時効させたAZ61合金の疲労強度の結晶粒径依存性、図3は溶体化処理したAZ61合金での疲労き裂の進展様相をそれぞれ示したものです。これらの成果は、新素材開発や材料加工技術の発展に極めて有用であり、産業界に多くの新しい知見を提供することになるでしょう。また同時に、次世代の先進機械・構造材料における煩雑な変形・疲労・破壊メカニズムの体系化も目指しており、工学的に汎用性の高い基礎研究と言えます。さらに、このような大学の研究室で学生が学ぶ思考過程は人材の育成と継承面においても役割は大きく、工学分野の将来づくりに貢献していると思われます。
その他の研究●銅および銅合金の微小変形におけるエッチピット観察
●形状記憶合金を用いたアクチュエーターの設計
●繊維強化プラスチックの強度評価
メッセージ(企業へ)環境負荷の低減を念頭に置いて、現在は軽金属材料の塑性変形および強化機構に関する物性論的な基礎研究をメインに行っています。これらの研究成果は、今後も新素材の創製や材料加工技術を発展させる上で多くの知見を提供することになります。さらに、短期間ながら防衛装備品の開発や米国で形状記憶合金を用いたアクチュエーターの設計にも携わった経験を活かし、地域の活性化に貢献できればと思います。