クサカベ カツキ   Kusakabe Katsuki
  草壁 克己
   所属   崇城大学  工学部 ナノサイエンス学科
   崇城大学大学院  工学研究科 応用化学専攻(修士課程)
   崇城大学大学院  工学研究科 応用化学専攻(博士後期課程)
   職種   教授
分野ナノテク・材料
タイトルCD-MOFの特性を多分野で活用する
シーズ名〜両親媒性ナノ結晶体のナノデバイス化と機能化〜
キーワード有機結晶、多孔質材料、生体適合性、ナノ孔、シクロデキストリン
研究シーズ概要γ-シクロデキストリンとKOHから合成されるシクロデキストリン系金属有機構造体(CD-MOF)は多孔質結晶で、γ-シクロデキストリン自体がその内部に疎水性の空洞があることから、有機物を包接することで水中に取り込むことができます。このγ-シクロデキストリン6個を立方体の箱の中に収めると中央部に径1.7nmの親水性のナノ孔が形成されます。したがって、一つの結晶内に疎水性ナノ孔と親水ナノ孔を持つユニークな新材料「両親媒性ナノ結晶」となります。さらにこのCD-MOFを利用すれば、その内部で径が1-2nmに近い金、銀、パラジウム、銅のナノ粒子を合成することができます。本研究では、ナノ孔内部で重合を行うことによって均一なオリゴマーを合成することに成功しました。
 このようにCD-MOFはナノスケールのフラスコとして利用でき、また、複合化することで機能化を実現することができます。たとえば、粉末状態では濃度消光により蛍光を発しない色素についてもCD-MOF内に固定化することで、色素分子が孤立するために固体状で強い発光を示すことを確認できました。
利点・特長・成果■CD-MOFの特徴は汎用のシリカゲルやゼオライトなどの無機吸着材に匹敵する比表面積を持ち、原料がγ-シクロデキストリンであるために生体適合性に優れています。また、商業ベースで生産されているので、従来のMOFに比べて低コストで使用することができるなどの利点を持っています。これらの特徴を活かして、以下のような分野での使用が期待されます。
■親水性および疎水性化合物を同時にCD-MOF結晶内に取り込むことができるので、複合機能性材料あるいは相互干渉機能性材料を構築できます。
■CD-MOF結晶内に複数の薬剤を取り込むことができ、また、生体適合性に優れているので新規ドラッグキャリアとして活用できます。
■CD-MOF結晶中でサブナノサイズの貴金属ナノ粒子の合成が可能になり、高活性触媒としての働きが期待できます。
■不安定な固体色素をCD-MOF内に固定化することで耐性を付加でき、さらに蛍光強度が飛躍的に向上するため、新規固体色素として期待できます。
その他の研究●共晶型イオン液体を用いた機能性無機材料の合成。
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