ウエダ ナオコ   Ueda Naoko
  上田 直子
   所属   崇城大学  薬学部 薬学科
   崇城大学大学院  工学研究科 応用生命科学専攻(博士前期課程)
   崇城大学大学院  工学研究科 応用生命科学専攻(博士後期課程)
   職種   教授
分野ライフサイエンス
タイトルハブ毒を科学する
シーズ名〜ユニークで高い特異性をもつハブ毒タンパク質・遺伝子の構造と機能に関する研究〜
キーワード生物毒、トキシン、ホスホリパーゼA2 、完全長cDNA ライブラリー、遺伝子発現
研究シーズ概要ハブ毒は、猛毒成分の混合物ではなく、意外にも、ユビキタスなタンパク質、ペプチドの集合体です。主要な毒の成分であるリン脂質分解酵素のホスホリパーゼA2(PLA2)アイソザイムは、タンパク質として5〜6種類同定されていますが、そのうち、低酵素活性型のPLA2アイソザイム(BPII)は、白血病細胞株に対し、ただちに細胞膜を破壊し、細胞全体を収縮させるというネクローシスともアポトーシスとも言いがたいユニークな細胞死を誘導することを明らかとしました。一方、酵素活性の強いPLA2アイソザイムは、がん細胞には毒性を示さないなど予想外な結果を得ています。これらPLA2以外にも、血管透過性亢進活性因子や出血因子、免疫の補体系に関わる分子を単独で特異的に分解する酵素など興味深い成分も見つけています。私達は、ハブ毒成分を網羅的に解析するために、ハブ毒腺の完全長cDNAライブラリーを作製しました。理研GSCとの共同研究で、約1万4千個のクローンを選出し、配列解析を行いました。その中には、毒関連遺伝子の以外に、転写・翻訳関連や翻訳後修飾、ヒートショックタンパク質など、生体内で機能を発揮する遺伝子群も発現していることを明らかとしています。
利点・特長・成果毒蛇ハブの毒としての病理的な作用は、咬傷時に、筋肉、血管などの局所に毒成分が大量に注入され、生体組織の恒常性が破壊されたり、各成分が相乗的に作用すること等により引き起こされると考えられており、意外にも、個々の成分は、狙いを定めたかのごとく特定の分子だけを標的とするものが多く、貴重な創薬シーズとして注目されています。それらのタンパク質は、極めて安定性が高いため、応用利用しやすいことも大きな利点です。上記のように、私達は、ハブ毒腺で発現する約1万4千個の遺伝子(完全長cDNA)を解析後(図2)、カタログ化し、個別に384穴プレートに保管していますので、適宜、興味深い遺伝子を発現させ、機能解析することができます。ユニークな遺伝子を探索したい方、是非、お気軽にご連絡下さい。
その他の研究●ハブ毒中のナノ構造体(エクソソーム)に関する研究
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