イノカワ ヒトシ
Inokawa Hitoshi
井野川 人姿 所属 崇城大学 工学部 ナノサイエンス学科 崇城大学大学院 工学研究科 応用化学専攻(修士課程) 崇城大学大学院 工学研究科 応用化学専攻(博士後期課程) 職種 准教授 |
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分野 | ナノテク・材料 |
タイトル | 高熱安定性金属ナノクラスター触媒の合成 |
シーズ名 | 〜高温でも高分散性を維持できるゼオライト細孔内でのニッケルナノ粒子合成〜 |
キーワード | 無機材料、触媒、水素、エネルギー、ナノ粒子 |
研究シーズ概要 | シングルナノサイズ、あるいはクラスターサイズと呼ばれる5 nm以下の極めて小さな粒径(ナノクラスター)の触媒は、高い活性を発現することが知られています。しかし粒径が小さくなればなるほど、ナノクラスターは凝集と焼結により容易に粗大化し、その高い活性を失ってしまうという問題があります。そこで対処法として、高温でもその小さな粒径と高い分散性を維持するナノクラスター触媒を合成することを発案し、本研究において、規則的に整列したミクロ孔を有するアルミノケイ酸塩であるゼオライトに着目してその細孔内にニッケルナノ粒子を合成しました。この結果、ゼオライトのミクロ孔によってナノクラスターの拡散や凝集が抑制されるため、高温でも高い分散性を維持することが期待できます。なお、本研究ではニッケロセンというニッケルの有機錯体を前駆体として用いることにより、ゼオライトYに5 nm以下の粒径で高分散したニッケルナノクラスターを担持することに成功しました。
【特許】 「金属ナノ粒子複合体の製造方法およびその方法により製造された金属ナノ粒子複合体」特願2012-263374, |
利点・特長・成果 | 本研究のニッケルナノクラスターの特徴の一つに、高い熱安定性が挙げられます。このナノクラスターを担持したものと同じゼオライトやアルミナに、一般的な含浸法でニッケルを担持した比較試料を合成し、高温での反応におけるニッケル粒子の粒径や分散性の変化、触媒活性を比較しました。500℃でのアンモニアの熱分解反応(2NH3→N2 + 3H2)に用いた結果、含浸法で担持したニッケル粒子は24時間の反応で50 nm以上に粗大化したのに対し、本研究のニッケルナノクラスターは100時間以上の反応を経た後も5 nm以下の小さな粒径と高い分散性を維持することが分かりました。よって、本研究のニッケルナノクラスターは高い熱安定性を有していることになります。また、触媒活性を比較した結果、含浸法で担持したニッケル粒子より5-10倍高い反応速度定数を有することも明らかになりました。現在は、層状物質を使った機能性ナノクラスター材料の合成に取り組んでいます。 |
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